社会保険「130万円の壁」の認定方法が変わる?
社会保険の「130万円の壁」とは?
「130万円の壁」とは、健康保険・厚生年金保険に加入している方の配偶者が「扶養扱い」となり、保険料負担が不要になるための配偶者などの年収の要件(130万円未満)のことです。
健康保険等に加入している方と同居していれば、その方の年収の半分未満、別居している場合はその方からの仕送り額未満であることも要件です。
この要件は、健康保険の場合と年金の場合で若干異なります。
健康保険の場合は、配偶者だけでなく子や両親などを含む親族が「被扶養者」として認定されます。
一方で年金の場合、同様の扱いは「配偶者」(国民年金第3号被保険者)のみです。
「130万円未満」の要件は、以下の場合にはその金額が異なります。
健康保険の被扶養者のうち、19歳以上23歳未満(配偶者除く)の場合「150万円未満」
健康保険、年金ともに、扶養認定を受けようとしている方が、60歳以上または障害者の場合「180万円未満」
「130万円の壁」の認定方法が変わる
2026(令和8)年4月1日認定分から、「130万円の壁」に関する認定方法が変わります。
2026(令和8)年3月31日認定分まで
原則として「年収」には時間外・休日手当などが含まれる。
※ただし、一時的な残業などでの収入増については、厚労省の「年収の壁・支援強化パッケージ」により、連続2回までであれば「事業主の証明」により130万円以上でも認定。
2026(令和8)年4月1日以降認定分
「年収」は労働条件通知書や雇用契約書など、労働契約の内容が確認できる書類で規定される時給、労働時間、労働日数などで算出した年収をもとに判定。(ただし、被扶養者の収入が給与収入のみであることが前提)
よって、労働条件通知書や雇用契約書などで労働契約の内容として記載されていない時間外労働等に対する賃金は「年収」に含まない。
被扶養者認定時点・被扶養者認定確認時点で時間外労働による臨時収入が発生した場合
労働契約上は時間外労働が予定されていない場合で、被扶養者認定時点や年1回の「被扶養者認定の確認」時点で、時間外労働等による臨時収入が発生していた場合でも、その臨時収入が社会通念上妥当な範囲を超えなければ、年収130万円以上でも認定。
この「社会通念上妥当な範囲」には明確な基準はありませんが、あくまで繁忙期などの「一時的な」臨時収入が想定されていると考えるのが自然と思われます。
その理由は、これまでの「年収の壁・支援強化パッケージ」リーフレットにおける「事業主証明」の例で、
・月10万円の収入で働くパート労働者(労働契約では残業は明確に予定されていない)
・繁忙期により、特定の数カ月に残業が発生し、その時間外手当合計が20万円で、合計年収が140万円
とされているためで、これを大幅に超える場合は認定されない可能性があると思われます。
参考情報
厚生労働省通知「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定 における年間収入の取扱いについて」
厚生労働省リーフレット「年収の壁・支援強化パッケージ」
次回は「被扶養者認定の取扱い変更に対して企業が何をすべきか」について解説します。
雇用契約締結時の「労働条件通知書」や「雇用通知書」の書き方、被扶養者認定や年1回の確認時の対応方法など、注意点をお知らせしますので、ぜひご期待ください。



