令和7年度最低賃金改定と社会保険加入要件への影響
今月、令和7年度最低賃金額の改定目安が公表されました。
各都道府県の最低賃金の引き上げ額の目安が63~64円で、仮に目安通りに各都道府県の最低賃金が改定された場合、全国平均で1,118円になります。昨年の最低賃金の最低額(951円)をこの目安通りに引き上げる(₊64円)と、今年度改定による最低賃金の最低額は1,015円となります。
実は、この最低賃金1,015円が短時間労働者の社会保険加入要件と密接に関係しているのをご存知でしょうか。
短時間労働者の社会保険加入要件は以下の全てです。
①従業員数51人以上の企業に勤務している
②週所定労働時間が20時間以上である
③給与が月額88,000円以上である(いわゆる「106万円の壁」)
④2か月を超える雇用見込み
⑤学生でない(夜間、通信制学生、休学中の学生は加入対象)
実は、令和7年度最低賃金の最低額である時給1,015円で、週あたり20時間働いた場合の月額賃金が概ね③の金額に一致するのです。
また、上記③の要件は6月に成立した年金制度改革法案の中で、法律の公布から3年以内に撤廃することが確定しています。
最低賃金の最低額が1,015円になると、③の要件を満たす企業がなくなり、要件として意味をなさなくなるため撤廃につながることになるでしょう。
最低賃金額の引き上げ自体は人件費上昇につながり、経営への影響が大きいですが、加えて社会保険料負担も影響することになるでしょう。一方、最低賃金額の引き上げに合わせた賃金引き上げと社会保険料負担だけでは、最低限の対応であり人材確保につながりません。
上記の流れを踏まえ、自社の優秀な人材を有効に活かすためにも、正社員登用その他さまざまな働き方への対応や待遇改善が重要です。制度改正や助成金の活用なども必要になります。
早めに準備を進めるためにも、専門家である社会保険労務士にご相談ください。
弊所でも経営者と従業員が「ともに輝く」企業づくりのためにご相談を承っております。
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